外国人への偏見をなくせば全員が幸せに!賃貸経営で入居率100%を維持できるワケ

初めまして。DIVERSITY TIMES ライターを務めます齊藤と申します。
現在は大学生ですが、このたびインターンとしてお邪魔させていただくことになりました。
さまざまな業界で活躍される皆様のお話をお聞きしに行けることを今後楽しみにしながら
頑張ってまいります。以後よろしくお願いします。

 

 

荻窪を中心に不動産賃貸をされている「田丸ビル」の
代表取締役である田丸 賢一さん。

2021年11月に出版された書籍はいくつもの週間・月間
ベストセラーにランクインしました。そのタイトルは
『「入居率100%」を実現する「外国人大歓迎」の賃貸経営』

田丸さんにとって「外国人大歓迎」とはどのような取り組み
なのか、伺ってきました。

 
___ご家業を継がれていますが、いつから不動産業にご興味を持たれていたんですか?

田丸 賢一(以下「田丸」):高校の頃から経営学科です。創業者をとても尊敬しているので、その頃から自分が後継になりたいと考えていました。一度製薬会社に入ったのは社会人経験を積むためです。あえて不動産じゃないことやってみようと思って違う業界に入りました。

 
___何年に社長に就任されたんですか?

田丸:13年前の2008年ですね。

 
___高校時代から経営者を目指されていたということですが、実際に社長としてお仕事されて、学生時代の想像とのギャップはあったのでしょうか。

田丸:ありますね。学問として学んでいたことは20%くらいしか役に立ちません。現場から学ぶということが私のセオリーです。経学の本を読み漁っていて知識にも自信はあるんですが、理論と実践は違うということは強く感じます。時代の最新から、学問というのは少し遅れているんですよね。

 
___ご著書を読ませていただいていても、田丸さんご自身が現場でお客様とコミュニケーションを取られていることを感じました。

田丸:企業の規模ということもありますが、やっぱり自分自身が現場の必要性を感じているということはありますね。

「入居率100%」を実現する「外国人大歓迎」の賃貸経営
新時代の不動産投資

田丸 賢一 著

序章 なぜ今「外国人大歓迎」が満室経営につながるのか?
第1章 すべての前提となる「CFP®認定者 田丸式・賃貸経営の極意」
第2章 外国人に対する不動産業界の認識は遅れている!?
第3章 外国人を歓迎して賃貸経営を成功させる
第4章 外国人専門の賃貸保証会社と仲介会社の台頭が外国人の入居環境を変えた
終章 田丸ビルの出発点であり、理想としている「田丸荘」の物語
巻末付録 契約書の重要性……田丸式・居住用建物賃貸借契約書の解説

 
___「外国人歓迎」を掲げていらっしゃいますが、この方針は田丸さんが始められたんですか?

田丸:歓迎という立場は私からですね。ただ、国籍関係なく受け入れる、ということは30年くらい前からやっていました。GTNのような保証会社もありませんでしたし、当時のこの業界の中ではそれだけでも珍しかったです。社会貢献も含めて外国人ウェルカムと言い出したのは私の代からです。

 
___外国籍の方を歓迎するのが企業としてのチャンスになる、と気づかれたきっかけは何でしょうか。

田丸:外国人歓迎をやってみて、業績が伸びたということですね。あとはいろいろ理由があるんですが、国籍ではなく個人を見る必要があると感じたことがありました。2年連続で入居者関連の放火があったんですね。入居者の面談も自分が担当していたのでショックでした。

そのふたつの事件を起こしたのは日本人ですが、外国籍の入居者の方たちはみなさん礼儀正しくて、真面目な方が多いんですね。しっかりコミュニケーションを取ってみると、勉強や仕事を頑張っていらっしゃる様子がよくわかります。外国人だから悪いっていうわけでもないし、日本人だから良いっていうわけでもないということにはその時点から気づいていましたね。

 
___普段から入居者の方とコミュニケーションを取られているからこそわかることですね。

田丸:あとは、最初に外国籍の方に感謝されたのが本当に嬉しかったんですね。内モンゴルの方で、お土産をもらったりもしていたんですが、泣きながら感謝されたことで、いかにそれまで門前払いされてきたのかがわかりました。家賃の滞納もないし、部屋の使い方もきれい。どうしてこんなにいい人が偏見によって門前払いされてしまうのかこれはおかしいと思うようになりました。それで社会貢献も含めて、10年くらい前から外国人受け入れに対してかなり積極的になりました。

 
___それほどまで外国人入居者の受け入れが進んでいないんですね。

田丸:進んでいないですよ。「外国人」というだけで、見ようとしない、聞こうとしない。不動産業界は閉鎖的な空気もありますし、偏見も根強いですね。

 
___「外国人」による嫌な経験というよりは、思い込みなんですね。

田丸:経験されている方も偏見だったということは多いと思いますよ。

よく聞くのは外国籍の入居者がゴミ出しのやり方をわかっていないということですが、最初は当たり前だと思うんですよ。来日当初に説明する人がいない、日本語もまだわからない。そんな状況では複雑なルールは理解できないですよね。でも説明する代わりに「やっぱり『外国人』はルールを守れない」という話になる。でも、今は翻訳アプリもあるし、あと一歩踏み出してコミュニケーションを取ればすぐに変わりますよ。むしろ丁寧すぎるほどきちんと分別するようになる方もたくさんいます。

 
___ご著書の中でGTNの「生活サポート」をご紹介くださっていますが、通訳を必要とする場面が多いですか?

田丸:母国語で説明できるということが大きいですね。私も日常会話程度に英語は使えますが、例えば先程のゴミ出しの話など、複雑なことを伝えられるかというと難しいですし、入居者の方も英語がよくわかるとは限りません。本当に細かく、マナーの徹底まで伝えられるのはやはり相手の方の母国語しかないなと思っています。

 
___田丸さんのそういった取り組みは同じ業界の方にはどう受け止められていますか。

田丸:そう簡単には浸透しないです。何か失敗があると、何か原因を見つけたくなりますよね。何かがうまくいかなかった時に、「外国人」はその理由にされやすいんです。

 
___コミュニケーションがあればそういったこともなくなりそうですよね。ご著書を読んでいて、住まいを貸すことでここまで積極的に入居者の方と関わっておられるのかと驚きました。

田丸:やりかたは人それぞれですけどね。でも、必ず人と関わる仕事であるということは言えると思いますね。

 
___クチコミをすごく活用していらっしゃいますよね。「次の入居者を紹介すれば原状回復費用を支払わなくてよい」という契約を入居者の方と結ばれて、外国籍の方のネットワークで入居率100%を実現しているというお話をご著書の中でされていました。

田丸:不動産賃貸業をやる中で原状回復費用というのはウェイトが大きいので、これが省けるというのはオーナーにとってはかなりメリットになります。

クチコミというのは「外国人」ならではだと思います。国籍関係なく、きっと日本人も外国に行けば、現地の日本人コミュニティーを頼ることは多いと思うんですよね。退去する方は物を捨てる手間がなくなりますし、新しく入る人は購入の費用を抑えられます。そういった繋がり自体はどの国でもあるんじゃないでしょうか。

 
___このお仕事の一番のモチベーションも、そういった入居者の方のサポートをするというあたりにあるのでしょうか。

田丸:「不動産を通して社会貢献をする」ということを経営理念として掲げていますが、それがモチベーションですね。社会的に住まいを探すことが困難な方に貸せる、ということが一番嬉しいです。単純に「貸す」と言っても、衣食住の「住」はその人の環境に与える影響が大きいですし、住居から派生することってたくさんあると思います。

 
___外国人の受け入れが進んでいない現状は、どのような突破口から変わっていくでしょうか。

田丸:人口減少だと思います。人口は減っているけれどビルとか建てられていますよね。駅前とかならともかく、そうでない場所ではどんどん空き室が出るようになると思います。そうなったときに、でも外国人は部屋を必要としている、と気づけるかどうかですね。在留期限みたいな制限はなくなっていくと思いますし、外国人が増えることで気づくチャンスは増えると思いますけどね。

___最後に、これからのビジョンについてお伺いしたいと思います。

田丸:これからも一番やっていきたいのは社会貢献ですね。生活保護受給者ですとか、高齢者、外国人、障がい者の方に部屋を貸すことは、どんなにDX化が進んでも大切にしていきたいです。思っている以上に入居困難で困っている方は多いと思います。

 
___田丸さんの取り組みが広がっていくことを私も願っています。今日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

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