外国人採用・定着の仕組みづくり2.0 ~明光が考える教育の在り方~ ② - DIVERSITY TIMES - 外国人の"今"を知って好きになる。

外国人採用・定着の仕組みづくり2.0 ~明光が考える教育の在り方~ ②

2022.02.08

 

大宮:皆さま、こんにちは。パーソナリティーの大宮 綾佳です。

前回に続きましてゲストとして、株式会社明光ネットワークジャパン
HRソリューション事業部 部長 小西 悠太 様 をお招きしております。

『外国人採用・定着の仕組みづくり2.0 ~明光が考える教育の在り方~』というテーマでお話させて
いただいておりますが、

ここからは、キーワードとして「採用後」や「在留資格別」。このあたりでどういう違いがあるのかを伺っていきたいなと思っています。

引き続きGTNからも、事業開発部 カスタマーサクセスセクション マネージャー 稲村 美穂 と一緒に進めてさせていただきますので、
最後までよろしくお願いします。

『外国人採用・定着の仕組みづくり2.0 ~明光が考える教育の在り方~ ①』

本編記事の前半をまだお読みでない方はあわせてぜひご覧ください!!

 

採用目的に合わせた募集条件を

稲村:採用後の話なんですが、実はGTNでも現在「ジャパニケーション」というオリジナルレッスンをおこなっています。ジャパニーズ・コミュニケーションを取ったことばで、いわゆる日本語の会話レッスンです。

このプログラムをつくり提供を始めさせていただいた経緯として、たとえば…
技人国で人材を採用するにあたりN1をお持ちの方が入社しましたと。ところが、実際に日本語でのビジネスコミュニケーションはというと、やはり読み書きと会話とでは使う能力が異なるので非常に苦労されるケースが多いようなんですね。「日本語能力重視で採用したのに」と企業様から伺うことがよくあります。

そこでですが、小西さんが考える技人国採用向けの教育イメージとはどのような形でいらっしゃいますか。

小西:教育をしていく際には大前提として、目的が大事かと考えています。「入社した時に日本語が全く話せないと業務に支障があるから」ということなら目的も明確ですので、そこに対してコミュニケーション力を高める教育が必要になってくると思います。

たとえば、将来ベトナムに戻らせた際にオペレーション連携をはじめとした日本との経営ブリッジを担当してもらいたいとか、そういった要望が明光でもたくさん寄せられるので、私たちもGTNと同様にオンラインレッスンを通じてコミュニケーション力を高めてるためのアプローチをしています。

でも、やっぱり「N1を取らせてほしい」がとにかく多いですね。技人国で採用した方については、入社後でなにか試験や在留資格の切替が発生するわけではないので、根本的にコミュニケーション力が望まれる傾向が強い以上、比例してそこが目安として置かれることは多いです。

先ほど稲村さんがおっしゃられていたとおり、「日本語能力 N1」と「高いコミュニケーション力」はリンクしないのに、です。

読み書きと話し聞きの能力は比例しない

大宮:漢字圏の方なら読み書きは比較的できるようですが、非漢字圏の方でN1をというとかなりハードルは高そうですよね。

小西:そのとおりです。ですので、目的を定めるのと同時に、企業様がその目的に応じた取り組みの案出しをしていただくところも必要な部分ですね。しかし一方で、日本社会の現状を見ると外国人のコミュニケーション力を正しく測る手段がないので、これが確立されれば企業様のほうでもそれを目指していくということが自社の課題解決につながる発案が出しやすくなるはずなんです。

何が言いたいかというと、指標がない点がまず問題であるので、ここは明光としてもより一層に取り組んでいきたいところですね。

 

明光の提供している日本語教育とは

大宮:それでは、「コミュニケーション力を高める」というところで、どんな内容を教えていらっしゃるんでしょうか。もしお聞きしてよろしいことがあれば、どんな指標でというところも含めてお願いできますか。

小西:明光では「Japany(ジャパニー)」という日本語教材を自社サービスとして展開しています。その中にはもちろんJLPT(日本語能力試験)の対策講座というのもあるんですが、それと別に

明光ネットワークジャパンの企業向けオンライン日本語研修サービス「Japany」

BJC「ベーシック・ジャパニーズ・コミュニケーション」というコースがあります。そこでは、文法等の習得ではなくコミュニケーションが主体の授業になります。オンラインであっても画面越しで会話したり、聞き取りをして発話できるかを練習するという内容ですね。

ライティングの教育についても、自分でノートに書き進めて学んでいただく形式の教材動画があります。

あとは学習状況を測定できるプログラムとして、JLPTとは別の発想を持った「日本語コミュニケーション力の測定」という、いわゆる1or1のカリキュラムも明光では展開しています。

大宮:なるほど!そうすると、それらを日本語学校の中でも授業で活用してるんですね。

小西:はい。もちろんコミュニケーション力は意識してやっているので、そのノウハウも生かしながらですね。

 

外国人人材を生かすもころすも人事の手腕

大宮:N1を取っていてもコミュニケーションのミスや勘違いが発生したり意思疎通がうまくいかない。ここが課題となる企業も多いとのことですが、この対策としてまずは目的「何の教育をなぜするのか」、しっかり定めたほうがいいのではということでしたね。

小西:そうですね、「目的と課題」ですね。

起きてしまっている状況の要因として必ずしも外国人が悪かったわけではないことなんて結構ありますよね。

・日本人の仕事の進め方のクセ
・上司となる方の指示の出し方
・適材適所な配置だったのか
・日本人とのコミュニケーション
・仕事の任せ方への配慮

これら当然のように必要になってくると思うので、まさに状況次第かなと思います。

主観的な考えが入るんですが、この分野は本当に人事の方の手腕が問われる領域かと感じます。なので、目的や状況次第でやるべきことがかなり変わってくると思います。

たとえば、「社内の日本人⇔外国人 間のコミュニケーションがあまり上手くいっていない」という事象があった時に、これを外国人に対するコミュニケーション研修で解決させるのか、あるいは日本人マネージャーへの研修をすべきなのか。はたまたそもそもの配置なのか業務の割り振り方なのか。

これらを発展させていく育成プログラムって、まさに人事として心得るべき事柄に直結しています。

会社の現状を見て、その状況に沿った採用制度・研修を組み合わせながらより良い採用・育成・文化形成を考える。このあたりは決めが大事だと思っていて、そのために人事や経営者の方が「これはこういうことだからこれをやろう」という具合で、打ち手はさまざまあるでしょうからそこにプロの眼で判断できているかが問われる領域ですね。

大宮:なるほど、人事の手腕ということですね。外国人側がどう学ぶか、外国人側をどう教育するか、というお話でした。では受け入れ側にどういう心構えが必要なのか、アドバイスがあれば教えていただければと思います。

小西目的を明確にした上で施策を一度決め、それを試行錯誤しながら臆せず進めていくということが大事ではないでしょうか。今回は新しい取り組みについてですので成功事例はこれから慌てず積めばよいですので。

一方で、各社様の現状を拝見した際に、上手くいってらっしゃる企業様って、目的の共有が上手いなと感じます。
その共有で社内浸透している「目的」って、外国人の採用・定着を考える際にも非常に重要なものなんですよね。

たとえば
「日本人の採用率がこのぐらい減ってきた」とか「会社としてこういった事業展開を考えている」とか、IT企業ですと「こういう技術を社内で武器にしていきたいけど日本人にはそれを学んだ人が少ない」とか。
これらって、社内を巻き込んで全体で浸透していれば、外国人の方と一緒に働くことになるであろう現場の方々から的確なアイデアが出てくるようになりますよね。これがやっぱり大事なんじゃないかなと思います。

目的を現場単位にも上手く浸透させている企業様は、「こういう目的だから当面さまざまな工夫をしていかなくちゃいけないし、現場もそのぶん負荷がかかるかもしれないが、その目的に向かってこうやっていきたい」ということを、経営層→マネジメント層→現場の方々というように、伝え、皆で施策のために進めるプロセスを力強く持たれていらっしゃいます。

大宮:目的の社内共有、巻き込みということですね。

 

技能実習や特定技能も本質は技人国と同じだが

稲村:今まで技人国のお話を伺いましたが、技能実習や特定技能ですといかがでしょうか。

小西:話は入社後のことになってまいりますので、経営者・人事・現場の方々それぞれから抽出してみると本当に色々な事例が生まれるものと思います。

いま携わっているところですと、実習生といえばやはり現場で少々お声が挙がりやすい印象もあります。

「日本語ができるほうが監理団体もマネジメントしやすい」とか「技能実習2号や3号へ切替に備えて日本語力を継続的に高めていきたい」とか、試験を受ける際などに日本語力が重要になってくるので、その対策にと監理団体様や受入企業様からいただくケースは多いです。今後、技能実習生の教育は日本の中でも話題になることが多いので、そういった要望が増えていくのかなと思っています。

ただその一方で、そこに囚われることなく目的は色々なケースが生まれていっていいと思いますし、それに伴い日本の受入態勢さらに日本らしくいいものができていくということなので、事例の1つとして考えていきたいなと思います。

特定技能に関しては、2号というのがどんな条件になってくるのかわからないですが、やはり日本語力はどうしても話題ではあるので、長く働いていただくために教育していきたいという目的は生まれてくるはずです。

このようなことから、人事はさまざまな状況や目的によって会社が良くなっていく分野であるといえるので、そこに対してフラットな目線で外国人の方々が働いている状況を見ていただいて、たくさんのケースが生まれてきてくれれば、日本としても面白いなと感じられますね。

大宮:ありがとうございます。教育についてしっかりと目的を考えること、それを社内で巻き込んで共有していくこと。こういったところがポイントでした。

 

最後に皆様へのメッセージ

大宮:お時間が迫ってまいりました。最後に、今後の注目分野や力を入れていきたいことなどの展望、小西さんご自身のメッセージを頂戴してもよろしいでしょうか。

小西:はい、今回は「外国人採用・定着の仕組みづくり」というテーマでお話させていただきました。

今まで日本人のみで進めてこられた採用ターゲットを今後はどうするか。プロセス面でもう少し改善できるところがないか。定着においても、今までの考え方よりも次世代の仕組みをつくるとか、次なる社内文化をつくる。このようなソリューションで日本中からたくさん事例が出てくると、日本が一歩先に進めるように感じます。

これは私たちだけでどうにかなることではないですし、企業様だけでもできないところです。
ここで一体となり、さまざまな課題を抽出したり、それに対する解決策を皆で考えていく。こういったことを今後この領域においてやっていきたいと思っていますし、また、共感いただける部分があれば、漠然とした状態でもいいので明光やその他しかるべき場所で一緒に考えていく環境を整えさせていただけるといいなと感じます。

大宮:一歩先、というところですね。今後に必要な変化ということで、非常に勉強になりました。本日は『外国人採用・定着の仕組みづくり2.0 ~明光が考える教育の在り方~』ということで小西さんにお話を伺ってきました。

本日はどうもありがとうございました。

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