“おもてなし”にウラオモテなし! - DIVERSITY TIMES - 外国人の"今"を知って好きになる。

“おもてなし”にウラオモテなし!

 

「日本の“omotenasi”の質が落ちています!」
これは休み明けの香港人メンバーの言葉です。

こんにちは!GTN広報の加藤です。

おはようございます!に続いて突然何が起きたの?とちょっとびっくりしましたが
香港から友人が来日したので一緒に小旅行をしたところ、ちょっと残念な思いをしたそうです。

「水際対策で外国人と接する機会が減ったせいかインバウンドに慣れていない感じがします。特に心の準備ができていない、外国人との接し方を忘れちゃったのかな…。何度も日本に来ている友人も今回は明らかに接客の質が落ちていると感じたと言ってました。接客が目的ではないので日本は好きですよって言ってましたけどね!」という話がありました。

日本人メンバーからも接客が変わったのを感じるという意見が。
これはインバウンドに限ったことではなさそうです。

個人の捉え方にもよりますので良し悪しは別として、マニュアル化というか機械的というのでしょうか。
おもてなしの意識よりも、効率化(人手不足も原因かも?)を目指した結果かもしれないですね。

ただ、”おもてなし”は日本の大切な文化、良い面での他国との違いであり、「日本が好き」の大きな理由の一つです。

インバウンドも留学生も労働者もこれから外国人にきてもらわないと、日本人だけでは経済を回せなくなると言われる今、日本の魅力であるこの文化を無下にしてはもったいない。

 

“おもてなし”って?

おもてなしの語源は、「表なし」。

表が無いので裏もなし、相手に対して裏表のない心で接することです。

“おもてなし”というと、接客、特に旅館などの細やかな気遣いのイメージから「歓迎すること」「ゲストを楽しませること」が浮かぶかもしれませんが

この意味だと近いのは「サービス/service」で享受側を上位に置いています。

おもてなしは、提供側と享受側は対等で、お互いのことを想い敬うことで互いに心地良い時を過ごそうと心を尽くす相互満足のこと。

お互いの気遣いが必要ですね。

 

仕事のためには生活が大切!

日本の少子化に伴う労働者人口減を解消するための新在留資格「特定技能」が2019年4月に施行され約4年、
水際対策等で当初の計画の数時からはちょっとズレましたが外国人労働者数は増え続けています。

厚生労働省によると、2022 年10月末時点での外国人労働者数は約182万人、雇用している事業所数は約30万ヶ所。
約68万人だった2012年10月末から比較すると、約2.7倍にもなっています。

そして企業の課題は外国人の雇用方法から、雇用した外国人に長く定着してもらうためにどうしたらよいかに変化。

外国人も、日本企業への就職方法から
●活躍できる企業に長く勤めるためにはどうすればよいか
●家族を呼ぶには?
●子供の教育は?
 など
生活者としての悩みが強くなっています。

※出展:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)

来日当初は言語自体の問題、日本の生活に慣れてくると、育った環境、文化、価値観の違いに悩まされる様子。

日本人同士の場合は、日本全国大きな違いのない文化の生活環境、学校の部活やサークルなどのコミュニティーでの経験から、暗黙の“共通のコミュニケーション方法”がありますが、外国人には通用しません。

海外生活や外国人に慣れていない人にとって外国人社員は、「空気が読めない」「なんか違う」といった存在になってしまいがちです。

出典:国土交通省・「新潟県在住外国人生活アンケート調査」(新潟県)より

 

テツさん – ミャンマー/事業開発部

初めて勤めた会社から今まで仕事で困ったことはないんですけど、話題がないのがキツかったです。

育ってきた環境とか背景が違って…同じ国なら同じストーリーがあるから。
例えば同じ国の人とか、もしかしたら近い国もかもしれないけど、「高校生の時にこれ流行ったよね」とか「これ懐かしい」とかの話題ができるけど、日本人だと通じない。
笑いもわからなくて入りにくいこともある。

あとは困ったことというか感じたことですが
新卒という括りからか日本人も外国人もみんな一緒を求められてるように思ったことがありました。
自分の価値が出しにくかった。ミャンマーから来て、自分にしかできないことがないとただの外国人、お荷物に感じてしまったのが辛かったかな。

__そういう時はどうするの?
いっぱい勉強しました。なんでもできるようになりたいから。

 

ちなみにアメリカで働いていた日本人メンバーにも聞いてみた

仕事は仕事なので、聞けば教えてもらえるしすごく困ったことはないです。

でも、何かあると相談するのは上司よりも入社でお世話になった人事部でした。
体調悪いときの病院も人事の方に教えてもらいました。

日本で働く外国人も、海外で働く日本人もたぶん同じだと思うんですけど
実際に大変なのは、生活や価値観の違いだと思います。
食べ物が合わないとか、時間に対する考え方とか、その国では当たり前のルールとか。

一緒に働いていた人は国籍バラバラで、ルームメイトはブラジル人とノルウェー人。
みんな自分の中の当たり前やルールが違うから、よく喧嘩しました。

生活ですごく役に立ったのはAmazon。カツオ節とかスーパーにないものが揃ってる。

__日本食とか日本のもの?
すごく大事です。生活があってこその仕事だから。

 

“おもてなし雇用”とは

そこで、大切なのがおもてなし雇用です。

多様な人材の活躍を実現するためにあるべき企業の姿を日本の特有の文化になぞらえて「おもてなし雇用」と表現。

この言葉、実はGTNの商標なんです。(宣伝!)

外国人社員を雇用し日本で長く働いてもらうためには、 外国人社員の立場に立って物事を考え、「こころ」に寄り添ったサポートを行うこと、外国人社員もその気持ちに応えること、「雇用する側」「雇用される側」が対等な立場でお互いを敬い多様性のある職場環境を実現するというメッセージを込めています。

「歓迎!グエンさんご一行様!」ではなく
一緒に働くグエンさんに、日本人が当たり前に享受している労働環境、生活環境を提供する。

それを享受する外国人労働者はその環境で高いパフォーマンスを発揮してしっかり会社の思いに応えるという“おもてなし雇用”が当たり前になっていくと良いですね。

 

 

最後に…

そうは言っても、“おもてなし雇用”を体現するにはまだまだわからないこともあるし…

なんてお声も聞こえますが、ご安心ください。だからこそのGTN

 

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