わたしはわたし、ひとはひと。個人の尊重=ダイバーシティ! - DIVERSITY TIMES - 外国人の"今"を知って好きになる。

わたしはわたし、ひとはひと。個人の尊重=ダイバーシティ!

 

こんにちは!GTN広報の加藤です。

グローバル化の流れの中、日本に住む外国人は増え続けています。
そんな彼らの生活支援を行う当社GTNの社員の7割は外国人。
22の国と地域から集まり、多様な文化や宗教・価値観を持ち、それぞれの視点・考え方が交錯する環境で毎日業務に向かっています。日本人・外国人ともに国際結婚になるケースも多く、中には結婚のために改宗したメンバーも。

この度、初めてのラマダンを経験した彼女に、ヒジャブを選んだ理由や改宗・結婚の背景、そして夢についての話を聞いてきました。

 

ユニークなバックグラウンド

生活サポート部多言語セクションに所属する小島 アンナさん。

彼女は日本人の父と、タイ人の母から生まれ、ムスリムであるというユニークなバックグラウンドを持っています。

グローバルな環境で自分の語学力を活かすことで誰かを助けることができればという思いを持ってGTNに入社しました。
得意なタイ語・英語・日本語を駆使し毎日お客様の悩みに丁寧に向き合っています。(業務では使用していませんが実は中国語も堪能ということが今回判明。学生との時に優秀な成績をおさめたそうです。)

彼女によると、タイ人のお客様は留学生が多く、複雑な相談が少なくあっさりしていることや、質問に答えたり何か伝えるとすぐに理解してくれるという印象。

一方で、英語圏のお客様は学生~就労の方と範囲が広く多国籍で考え方も多種多様。
説明してもなかなか納得してもらえなかったり、良くも悪くも自己主張が強いお客様もいるためちょっと怯んでしまったことも。

以前は先輩に代わってもらうこともありましたが今は自分で対応しています。

 

__アンナさん、自分をどんな人だと思いますか?

シャイで恥ずかしがり屋です。だから写真とか動画はダメですよ!
と言いますが…彼女は芯の通った強い人、そして適応力が高い人だと感じました。

これは彼女の生い立ち、多言語スキルをはじめとする経験や、選んできた環境が関係しているのかもしれません。

 

生まれも育ちもタイ王国!

アンナさんは日本人の父親とタイ人の母親のもと、タイで生まれ育ちました。

2013年のタイの大規模な洪水をきっかけに、中学生の時に家族で日本に移住。
急な移住のため、来日すぐの中学生の時は日本語が話せず友達がなかなかできなかったそうです。
ここでグッと頑張り日本語を習得、その後、中国語も習得してしまうという言語能力の高さを発揮。

そのまま日本で暮らし続け、2020年、タイ料理店でアルバイトをしていた大学生の時に、東京オリンピックの関係者として来日していたアフリカ・セネガル共和国出身の、後の旦那さんと出会います。

ちなみにセネガルの公用語はフランス語。そのため会話は共通言語の英語です。

国籍・言語のほかにもう一つの違いが…宗教です。

セネガルの9割はイスラム教徒、アンナさんの生まれたタイは9割が仏教。

イスラム教には結婚相手の制限があって男性のイスラム教徒は一神教徒の女性(イスラム教・キリスト教・ユダヤなど)、女性イスラム教徒は男性イスラム教徒のみとされています。

当時のアンナさんは仏教徒でしたが、イスラム教に興味を持っており結婚の決まりのことも知っていました。

イスラム教と聞くとハラールで豚肉を食べない、とか、ラマダンは断食の期間という断片的なイメージがあると思います。
その前に、イスラム教は自分と神様との関係が全て、自分が心から信じているかが大切です。誰がどんな神様を信じていてもよく、人は人、自分は自分という考え方にとても惹かれました。たくさん勉強したことで本当に信じられると確信し改宗を決意しました。

改宗をしたその日に結婚式。
ヒジャブを被るかは少し迷ったそうですが区切りとしてもちょうどよいのでこのタイミングでヒジャブの着用も決めました。

結婚前後で長期休暇を取得し、休暇明けの最初の出勤日。
みんなに何か言われるのではないかと少し緊張しましたが、改宗の区切りを示すためにヒジャブを被ることは意義深いことでした。
周囲も当たり前に接してくれるし今では被らないとちょっと落ち着かないそうです。(GTNにはムスリム先輩が何名かいますので他のメンバーも見慣れているのかも。)

 

2023年4月、初めてのラマダンを経験!

日本人が考えるラマダンって ”断食の期間” だと思います。

それは見えている部分で、ラマダンは欲望や悪意を抑えて善意や寛容の心を持つ期間、自分自身の欲をとめることが求められ、悪いことをしないように努める期間のことです。

また、自分よりも苦しんでいる人々に思いを寄せ、寄付をするなど、社会的な責任も果たします。
そのため、イスラム教徒にとって非常に大切な期間とされています。

こういった話を聞くと「ラマダン?大変だね!」という感想が変わってくるのではないでしょうか。
多様な背景を持つ人々が共に生きる現代社会において、相互理解や尊重が大切だと改めて感じます。

 

今の悩みと、将来の夢!

悩みは、私がどこの国の人かの説明が大変なことです!

母親がタイ人、父親が日本人という背景を持ち、そしてイスラム教のためヒジャブを被っています。
国籍は日本だけど日本人に見えないし、なんでイスラム教って思われるんです。
不思議に思うのはわかるんですけど説明も長くなっちゃうし…
でもいろんな人と仲良くなりたいから理解してもらえるように頑張ります!

そして夢は、ヒジャブのオンラインショップを開くこと!

自身がヒジャブを被るようになったことから、デザインを学び自分が着たいようなヒジャブを作りたいと考えるようになりました。

日本にもイスラム教徒の女性が増えています。
まだ他の服飾品に比べて豊富とはいえないヒジャブですが、ステキなヒジャブを作り発信すること。
それが宗教や文化の理解につながるのではないかと話してくれました。

 

結局一番大事なのは異文化理解

当社では通訳のことを、文化通訳と表現しています。

言葉の後ろにある文化背景、考え方の違いを知らずに表面的な言葉を異なる言語にただ変換するだけだと本意が伝わらないことが多々発生します。
世界各国から日本に訪れるお客様に対して適切かつ丁寧なサポートを提供するためにも異文化理解は大切です。

 

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