The Chronicle of ダイバーシティ研究室 - DIVERSITY TIMES - 外国人の"今"を知って好きになる。

The Chronicle of ダイバーシティ研究室

 

皆さま、こんにちは。DIVERSITY TIMESライターの齊藤です。
今回は、ライターを卒業するにあたり、これまでインタビューをさせていただいた中で感じたことを書かせていただこうと思います。

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私は、外国から来た方を取り巻く労働環境や、労働力となる外国人の誘致を目的とした政策に対する問題意識から、DIVERSITY TIMESのライターを務めさせていただいていました。
これらの問題に対し、「営利を目的として運営されている企業にもできることがあるんだ」ということを、これまでの取材を通じて感じました。

これまで私自身の関心が非営利団体に向いていたこともあり、企業は経済的利益を追求するもので、社会貢献や困っている人を支援することが一番の目的になることはない、という狭いイメージを抱いていました。
しかし、インタビュアーとして様々な企業の方とお話しする機会をいただき、むしろ企業だからこそできることがある、と思うようになりました。

 

たとえば、ASEAN HOUSE・佐々 翔太郎さんや、NPO法人WELgee・渡部 カンコロンゴ 清花さんのお話からは、困難の中にある方を雇用をすることで、その人だけでなく、その人の家族を支援することにもつながるということを感じました。

安定して収入を得ることができる、そういった環境を提供することは、何よりも継続的な支援になります。

雇用する側も
「困っているから」
「『難民』だから」
という理由で採用するのではなく、いち人材として適性を見出し、社員として育てていくことができます。

金銭的、物質的な支援が必要となる場面もあるでしょうが、そういった方法を長期的に続けていくためには資金が必要です。「雇用」という形態であれば、利益を出すことによって継続が可能です。

そもそも、誰かに必要とされることで利益が生じるのがビジネスである、と考えれば、ビジネスと支援は両立すると言えます。

サービス内容だけではなく、雇用という形でも共生を実現できるのがビジネスのおもしろいところだと感じました。

よい労働環境を提供することが誰かの幸せにつながる、ということはその方が日本国籍だろうと外国籍だろうと変わりません。そのことを再確認しました。

 

顧客満足度だけではなく、従業員満足度を考えることが必要、というお話はメディケアジャパン・大楠 友也さんからもありました。

「外国人を受け入れられるということは、いい組織であるという証拠」という、長く人事に携わっておられる大楠さんならではのお言葉が興味深かったです。

それは国籍だけではなく、年代や性別など、異なる背景を持つ人を受け入れられるかということなのではないでしょうか。

多様なバックグラウンドを持つ人が働く職場の方が新しい発想が生まれやすく、ほどよい緊張感や活発なコミュニケーションが風通しをよくするのでしょう。

キャリアフライ・大野 理恵さんも、異質な人を入れることで組織の変化を後押ししたいとおっしゃっていました。

 

また、留学生のサポートをされている方のお話を伺う機会もありました。
MANABO・レメネツ アンナさんや、インフィニストン・藤沢 雲龍さんなど、ご自身が留学経験をお持ちという場合も多く、留学生目線で本当に必要なサービスを考えていらっしゃるということが印象的でした。

私自身、都内の大学に所属していて留学生と関わる機会はありましたが

まだまだ留学生は留学生同士、日本人学生は日本人学生同士でグループを作っているのが現状だと感じることもありました。

同世代同士、お互いに関心がないというわけでなく、ただきっかけを作れないということなのではないかと思います。

ですので、お二方が取り組まれていた、海外から来られた方と日本在住の方の交流は双方にとって大切な機会となっているのではないでしょうか。

 

最後に、私が大学で所属していた、国際交流を目的としたサークルが掲げていた考え方をご紹介します。

それは、異文化は個人のあいだにある、ということです。

たとえ公的な言語、文化、歴史を共有していたとしても、他者は常に異質な存在であり、だからこそ言葉を交わし、時間を共にすることを大切にしている団体でした。

外国から来た方を雇用しよう、という企業や団体は、
多かれ少なかれこういった考え方をお持ちなのではないでしょうか。

個人間のちがいを楽しむことができる企業は、日本人にとってもまちがいなく働きやすい環境だと思います。

ですから、多国籍の社員がいるということを企業がもっとアピールできるようになるといいと思いますし、
今後は学生の方が就職先を決めるためのポイントにもなっていくのではないでしょうか。

 

 

これまで取材を受けてくださった皆様、そして記事を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

取材と執筆の経験で得たものを、これからの活動にも生かしていきたいと思います。

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