「コロナ禍でも日本で働きたい」 モンゴル人材の想いをカタチにした一年の奮闘 ~入国制限下の人材受け入れ支援で見えてきたものとは~
2021.06.29
ちょうど一年前の2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外国人の新規入国が制限され、東武ビルマネジメント株式会社へ入社予定だったモンゴルからの入職者は日本に入国できなくなってしまった。来日予定の8名が入国できたのはその年の11~12月。その間、いつ来日できるか不安を感じる入職者たちを、東武ビルマネジメントおよび外国人材の紹介・受け入れ・定着を支援する株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)が一体となってサポートし、無事受け入れを実現した。
コロナという誰も経験したことがない状況下で、レジデンストラックを利用しながらの人材受け入れはどのようなものだったのか?東武ビルマネジメントで外国人材採用を統括するトップ2人とモンゴルからの入職者、GTNの受け入れサポート担当がこの1年の奮闘、企業としての取り組み、今後の外国人材採用の展望について語った。
東武ビルマネジメント株式会社 専務取締役
ビルメンテナンス事業本部長兼SIL管理部長
宮崎 裕 氏
外国人材採用・取り組みの統括責任者
東武ビルマネジメント株式会社 取締役
ビルメンテナンス事業本部 鉄道技術部長
別井 浩 氏
モンゴル人材採用の受け入れ体制の整備・サポート担当
東武ビルマネジメント株式会社
錦糸町東武ホテル設備管理所
バトボルド スフボルド 氏
2020年10月にモンゴルより来日。モンゴル高専機械科卒業し、入社後は設備技術員に従事
株式会社グローバルトラストネットワークス
事業開発室
内山 彩子
外国人材を受け入れる企業に向けて、住居や携帯電話などのインフラ手配から日本の生活相談・マナーのガイダンス提供など人材定着に向けた支援をトータルでサポート
コロナ禍での外国人材受け入れについて
ーコロナ感染拡大・入国制限という誰も経験したことがない状況で、東武様とGTNが力を合わせてモンゴルから8名の人材受け入れを実現しました。この1年を振り返っていかがでしたか。
内山彩子(GTN事業開発室所属、以下:内山):スフボルドさん含めまず3名は、2019年の春から秋にかけて東武様に面接・内定をいただきました。そして、2020年3月にモンゴルから来日していよいよ入社する予定だったところで、コロナという思いがけない状況に。
また、その時期に東武様がモンゴルに行かれて別の5名の方も面談をされる予定だったのですが、それも難しくなってしまいました。本来であれば、面接者の雰囲気や日本語力を直接確かめたいというご意向だったかと思いますが、モンゴル側でのシャットダウンもあり急遽オンラインでの面談を快諾していただきました。それが5月ですかね。
別井浩(東武ビルマネジメント株式会社取締役、以下:別井):5月13日でしたかね。まだオンライン面接がそれほど普及していなかったですから、当社としてもどんどん取り入れるようになってくるきっかけくらいですかね。
内山:その5名の方も内定を出していただいて、夏にビザ申請までできたのですが、今度は日本側がいつ入国できるかわからなくなってきたところがありました。御社としてもいつ頃入れるんですか、どうなっているんだろうっていう感覚はありましたよね。
別井:まあ当然内定は出していて、試験も受かっているのはわかっていましたから、いつ入国できるのかなというのはありましたね。
モンゴルからの飛行機が飛ばない
内山:そうですね。そして10月以降、日本の入国制限が緩和されてレジデンストラック(※国際的な人の往来再開に向けた段階的措置)も始まって、弊社でも空港からの移動手段や14日間の待機場所の確保など、入国者が防疫措置を遵守できるサポート体制を整えました。東武様としても受け入れに向けた準備もいただいて、それで進めようと思ったんですけれども、今度はモンゴルの飛行機事件が(笑)
別井:なんといってもチャーター機がいつ飛ぶかわからないという状況でしたからね(笑)
内山:本来でしたら、GTNモンゴルの方で航空券手配のお手伝いなど動いていたんですけれども、今回だけは定期便が止まっていてチャーター便のみ。そのチケットもそれぞれのネットワークというか知り合い頼みで、個人個人が何とかして取っていたというような状況だったので、我々もなかなか状況が把握できない状態でした。
「明日行きます」という夜の一報
別井:部屋や14日間待機用のホテルの手配なども必要だったのでどうしたらいいのかっていう。だいたい前日だったんですよね(笑)
内山:一番忘れられないのが、夜の7時ぐらいですかね。ある入職者の方たちから「明日私たち行きます。嬉しいです!よろしくお願いします」っていうメッセージが来まして(笑)「そんな感じで来られないよ」って思いながら。こちらも慌てて別井さんに「行けますか?!」ってご連絡したんですよね(笑)
別井:そこからホテルさんに「急遽、明日来ますので」という話でご無理を言ってお願いしました。
内山:そのあたりのご協力といいますか、「いやこの時間はもう無理だから」っていうふうに御社から言われてしまったらどうにもできないところだったんですけれども、そこを「じゃあやりましょう!」っていうスタンスで。
別井:せっかくチケット取れたんですからね(笑)まあなんとしても入国させてあげたいなという気持ちがありました。そういうこともありながら、11月・12月の2か月間で 8名全員入国できたんでよかったなあと思っております。
内山:もしこれが1ヶ月ずれていたら、今年の1月中旬から日本側は完全にシャットアウトでしたから(※)今でも入国できなかった人がいたかもしれませんね。そんな感じで一年振り返っています。
※日本政府は1月14日以降、全ての対象国・地域とのビジネストラック及びレジデンストラックの運用を停止している。
ー入国を待っている間はどういったお気持ちだったのでしょうか。
別井:待っている間は、とにかく入国規制とかそういった情報を常にホームページで確認していました。もう皆さん資格も取られていましたし、最初に比べて日本語もずいぶん上手くなっていましたから、せっかくここまで勉強してくれたんだったら早く入社させてあげたいなあと思っていたので、そこはやきもきしたところですかね。
もう配属先も考えていましたし、あとは入国が決まらないと部屋も借りられないのでその時期をずっと待っている状態でした。
バトボルド・スフボルド(東武ビルマネジメント株式会社 錦糸町東武ホテル設備管理所所属、以下:スフボルド):(入国を待っている間は)ちょっと不安でした。初めの方は勉強したり話などもしていたので大丈夫でしたけど、コロナが収まらなかったらどうなるのかなと思っていました。でも(モンゴル側と日本側が)お互い努力していたので大丈夫でした。
内山:入職者の方たちとGTNモンゴル支店とは毎日コミュニケーションを取っていて、日本語のクラスも行っていました。私とは週に1回1時間、いろんな話をしましたね。
ー宮崎専務はいかがですか。こういったお話も直に聞かれていたかと思いますが。
宮崎裕(東武ビルマネジメント株式会社専務取締役、以下:宮崎):もう苦労苦労苦労苦労ですね。
一同(笑)
私の出番は次なので、もう別井が言っていることが全てかなと思います。
ー内山さんはいかがでしょうか。
内山:入国待ちの期間に、入職者の皆さんから日本に来たい働きたいっていう夢なんかをレッスンで聞いていました。ただ、気持ちはあるけれどももう持たないかもしれないっていうところは心配でしたね。経済的にだったり精神的にだったり。
別井:そこはやはり心配でしたね。あまり長く待たせていると、そのうちやっぱり日本に行くのをやめようかなって考える子がいるんじゃないかなっていう心配はありましたよね。
内山:やはり先が見えないのは不安だったろうなというのはありましたね。こちらも何ともできなかったのでせめて週に一回「元気ですか?」っていうコミュニケーションはとりながら様子を聞いていました。
ーようやく入国となったときのお話を伺いたいのですが、別井さんが成田空港までお迎えに行かれたと聞いています。
別井:はい、やはり最初に来た時にはきちんと話をしてあげないと不安しかないと思うので。「大丈夫なんだよ、2週間ホテルにいるけど私たちはこういうふうに毎日ちゃんと連絡するからね」ってきちんと話してあげないと、入国していきなりホテルに閉じ込められてそれもかわいそうですから。できるだけ対面で話してちょっと安心させてあげたいなという気持ちがあったので、成田には毎回行くようにしていました。
内山:結構こういった対応って珍しくて、他社様のケースで我々が空港に迎えに行ったり教育の補助をしたりしたときに、受け入れられる企業様から何も連絡がないですが私たちどうなるんでしょうか、というような声を入職者の方から聞くこともあります。なので、別井さんが自らお迎えに行って顔合わせされるっていうのが素晴らしいなあと思っておりました。
ースフボルドさんは、別井さんとお会いになったときはどういう気持ちでしたか?
スフボルド:日本に来るのを楽しみにしていたのでやったなという気持ちでした。ずっと待ってきたので嬉しかったです。
別井:みんな嬉しそうな顔してましたよ。全員ニコニコしていましたね。
写真:無事に成田空港に到着したスフボルドさん(2020年12月撮影)
ーホテルでの14日間の待機期間は、入職者の方にはどういったことをされていましたか。
別井:土日以外は、教育担当者が毎日オンライン教育をしていました。
スフボルド:作業内容を教えてもらえたので実際の現場に行く時にも安心でした。もしこの勉強がなかったら作業で何をするかがわからなかったと思います。
内山:午前中は東武様が毎日レッスンされていて、我々は2日に1度、6回にわたって日本語やビジネスマナーの講習を行いました。入国前もずっと日本語のレッスンは提供していましたが。
ここも本当に完全に手放しの企業さんもいらっしゃるので、その場合の14日間は本当に苦しかったという話も聞きますね。
別井:ホテルの部屋に閉じ込められて、誰とも話をしないのではやはりそれは彼らも不安になるので。オンラインでもやることによって一応顔が見えますからね。少しでもお互いの気持ちが分かるだけでも違うかなと思います。
ー待機期間中だったり、入国時に守らなければいけない防疫措置だったり、そういったところはGTNのサポートが入っていたんですよね?
内山:入職者に向けては、事前にGTNモンゴルから入国時に必要なことを説明して、理解してもらったうえで来日いただきました。入国時に守るべき防疫措置は15項目ありますが、事前にしっかりガイダンスを行ったり、熱を測っているところを動画にとっておいたりなど、実際は政府の指示以上のことを行って万全の状態にしていましたね。
あと受け入れで一番厄介なのは、入国してすぐ使える携帯の電話番号を準備することですよね。最初に入った時に持てるSIMというのが他社ではないので、そのあたりもまるっと弊社でサポートできたっていうのは良かったかなと思います。
別井:出国するときにメッセージアプリの連絡先をもらって、もう入国時には連絡が取れるようにしていただいていたので、私どももそこはすごく助かっていました。
外国人材の採用について
ーそもそも外国人材を採用することになった経緯・きっかけはどういったことだったのでしょうか。
宮崎:弊社はもともとベッドメイキングでベトナムの技能実習生を今だと175名ですかね、受け入れておりますので、外国人材の採用に抵抗感というのはありませんでした。やはりオリンピックに備えて当時は人手不足でしたから、今から3年前くらいから技能実習生の受け入れを始めました。
そうしたなかでGTNさんとお話した際に、もともとはGTNさんの中核事業である家賃保証を技能実習生向けにどうですか、というお話からだったのですが、たまたま持ってきていただいたパンフレットで外国人材の紹介もされているのを知りました。そこから、モンゴルに支社があって、モンゴル語の文法は日本語と同じで、みたいなお話をお聞きして「あー、そういうことなのね」というのがきっかけです。
ーもう2年ほどサポートさせていただいておりますが、サポートのご感想やご指摘などいただければ
宮崎:大変手厚くやっていただいています。特に言葉の問題ですね。技能実習生は日本語が話せなくても問題ないですが、今回のモンゴル人材のような技人国(技術・人文知識・国際業務)でビザを取るからにはそれなりの日本語力が必要です。そのあたりの日本語教育をGTNモンゴルでやっていただいたという点には本当に感謝しています。
ーやはり日本語のレベルが一定程度ないと一緒に働くというのは難しいでしょうか。
宮崎:そうですね。ビルメンテナンスは、ひとつ気を抜くと感電や墜落といった重大な事故につながってしまいます。極端な話ですけれど、チームで行動していて、日本人リーダーが「危ない」と伝えてもしその言葉を理解できなかったら、とても現場で一緒に仕事ができるという判断にはなりません。やはり日本語を話せるというのは最低限必要だと思います。技術は後からついてきますから。御社のモンゴル支社が日本語をそのレベルまで引き上げてくださったっていうのは本当に大きいですね。
ー外国人材を受け入れて、社内での変化というのはありましたか。
別井:最初にモンゴル人材の話を社員にした時に、みんなポカンとしていました。「え、なんで外国人?」みたいな反応だったんですよ。
宮崎:人手不足だったのにね(笑)
一同(笑)
別井:話しただけではなかなか伝わりませんでしたが、実際に配属して「あ、この子達って私たちの意思が通じるんだ」っていうのが分かるようになってだいぶ変わりましたね、社員は。日本語力に差はありますけれども少しずつできるようになって、そういうのを事業所の皆も見ているので、今では配属している全事業所があたたかく受け止めています。
あと彼らは真面目なんですよ。日本に来て頑張らないといけないっていう気持ちが強くて、そういう姿を見ると周りの人達も「自分たちも頑張らなきゃいけないな」っていう気持ちになっているのが、少し効果が出てきているのかなと思いますね。
内山:やはり覚悟が違いますよね。母国を離れて新しく生活を始めるって言う覚悟。
別井:常にプラスに考えて仕事をしているなという印象がありますし、自分たちからコミュニケーションを取ろうとするところは素晴らしいんじゃないかと思います。
ー外国人材の受け入れ体制について、社内で特に力を入れている取り組みはありますか。
別井:やはり日本語のハンデを少しでも補える体制ですね。漢字って難しいじゃないですか。日本語が少し喋れるようになっても漢字はなかなか理解できないので、とりあえずふりがなをふってあげようというアイディアが宮崎専務からありまして。じゃあそれをやってみましょうということで就業規則や社内試験にふりがなをふるところから始めました。
内山:最初のちょっとした手を差し伸べ方というのが、本当に御社は素晴らしいなぁと思います。その差し伸べ方が外国人従業員さんの目線じゃないと、また違ったプレッシャーになってしまったりもするので。ふりがなってすごく実用的な部分で、漢字で書いてあるのとふりがながふってあるのって理解するまでの時間が3倍~4倍ぐらい違いますよね。
スフボルド:自分で調べたら違う言葉が出てきたりすることもあります。時間がかかります。
別井:やはり彼らもせっかく日本に来て、日本の新卒者とヨーイドンでやった時に片方は読めるからというだけで差がついてしまうのではかわいそうですよね。同じレベルに揃えてあげて実力でどんどん上を目指していけるように、それが彼らのモチベーションにもなるのかなと。
今後の外国人材採用の展望
ー現在は海外からの人材受け入れは一旦止まっていますが、また入国制限が緩和されれば再開するかと思います。日本において、今後の外国人材の採用の流れというのはどのようになると考えられていますか?
宮崎:はい、これはもう間違いなく増えていくと考えています。みんな優秀ですし人材としては問題ないと思います。ただいくつかネックがあって、一つは住居の問題です。まず外国人の方に貸してくれないんですよね。人手不足で技能実習生を雇いたいが、家が借りられないために雇えないという会社さんも多いわけです。ただ、コロナの収束後、日本の人口もますます減っていくなかで、オーナーさんが外国人の方にも貸していくという流れになれば解決するんじゃないでしょうか。そこさえクリアできれば、外国人材の採用は堰を切ったように増えると思います。
ー企業からの外国人材に対する需要も増えていくと思われますか?
宮崎:はい、増えると思いますね。ただ別井も言ったように、最初は「う~ん」という感じだったんですよね。ただ、技能実習生の時もそうだったのですが、働いて一週間経つともう手放せない(笑)という感じになっていますので、物理的なネックをどうクリアしていくかというところじゃないでしょうか。
ー外国人材の受け入れが進んだのは、コミュニケーションがとれるとか働き方が真面目だとかそういったところが伝わったからでしょうか。
宮崎:そうですね。日本人もかつて昭和30年頃、我々のおじいさんぐらいの世代はアメリカに追いつけ追い越せという感じで、エコノミックアニマルで働いてきたわけです。スフボルドくんなんかを見ていると、今度は彼らが日本に追いつけ追い越せという頑張りでやっている。そういう彼らの頑張りを、我々日本人がどう捉えていくのかっていうのはすごく大事なことじゃないですかね。
別井:現場では相乗効果が出ていますよね。これまでは、入社してただ言われたことをやっていればいいという社員も実は増えてきていたのですが、現場に彼らが入ったことによって同世代の社員をはじめ、社内全体が非常に良い影響を受けている感じがしますね。
ー内山さんは他の企業さんも色々サポートされていますが、外国人材の採用の流れとして何か気づくことはありますか?
内山:皆さんがおっしゃる通り、人手不足でもうそちらに向かないと生き残っていけないっていう考え方をされている企業さんは多いですね。技術系などはもう国内人材が取れないですから。ただ、その受け入れの仕方が日本人に対してと同様に、そのまま海外の方々に対してやろうとしてしまう会社さんっていうのはまだまだ多くて、そこにコミュニケーションの齟齬が生まれてしまっているケースも見受けられます。
この考え方の部分と、先ほどの家の問題のような物理的な部分と、両方を変えていくと一気に日本の社会としての取り組みが進むのかなと思っています。
ーこれから外国人材を採用していこうという企業の方向けに、何かアドバイスいただけることはありますでしょうか。
宮崎:それはもう、是非うちに来てください(笑)我々もモンゴル人材の採用にあたっては、既に外国人材を採用している会社さんをGTNさんからご紹介いただいて話を聞きにいったんですよね。あの会社さんがいなければうちはもっと遅れていたと思います。技能実習生の受け入れに関しても、ベッドメイキングでは日本で当社が初めてだったんです。その時も鉄道・航空・銀行など多くの会社さんが話を聞きに来られました。トップの疑問なども解消できますので、ぜひ当社にお越しくださいませ。
スーパードメスティックカンパニー
ー本題からはそれますが、お二人はこれまで個人的に外国人の方とお仕事以外で関わることはありましたでしょうか?
宮崎・別井:ないですね。
宮崎:鉄道会社っていうのはウルトラスーパードメスティックカンパニーですから(笑)全くないですね。プライベートでもないです。社員もたぶんないと思います。
ー外国人の方とはお仕事での関わりというのが初めてでいらっしゃったんですね。何かご自身としての変化はありましたか?
宮崎:英語を勉強するのに気合が入りました(笑)インターンシップを受け入れた際、彼らは日本語が全く喋れない。ただ英語ではコミュニケーションができますので、あーやっぱり英語を勉強していてよかったなと思いましたね。
別井:私も全く外国人の方とは触れ合ったこともなくて、今回のモンゴル人材の方が初めてです。最初はもうどうしたらいいのかなと思ったんですけれども、向こうも一生懸命勉強してがんばって話そうとしてくれるんですよね。あの姿勢にはやっぱり感動しましたね。私たちも勉強しなければいけないなと思いまして、自分でモンゴル語の本を買ったりCDを買ったり(笑)少しでも聞き取れるようになりたいなあなんて思いましたね。
ーご自身にも変化があったということですね。
別井:そうですね。私たちがコミュニケーションを取れないのに、部下に取れよって言うのもどうなのかなと思いましたので 少しでもコミュニケーションが取れるようになって事業所に送り出すという。そうすれば彼らも安心してくれて、何かあれば私に聞いてくれるだろうし、ちょこっとだけでも支えになってあげられればという感じですかね。
ースフボルドさんはそもそもなぜ日本で働きたいと思うようになったのですか?
スフボルド:最初は日本のアニメを見ていたのがきっかけです。その後、日本語を教えてくれる学校に入って、インターンシップをしたときに日本で生活してみたい、働いてみたいなと思いました。
日本の生活は便利です。日本人はいつも「大丈夫ですか」「元気ですか」と挨拶してくれて、お互いのことを考えていると思います。
東武ビルマネジメント株式会社 バトボルド・スフボルドさん
ー東武さんに入社されて3カ月経ったということですが、日本の生活やお仕事はいかがですか。
スフボルド:事業所には私を入れて9名の方がいます。皆さん優しいです。わからなかった時は教えてくれます。技術系の漢字は難しいので、知らない漢字は写真を撮って家に帰って調べています。日本語を勉強している時には、日本語だけじゃなくて日本の文化や挨拶なども勉強しました。
内山:GTNの日本語教育では、そういった良き日本のコミュニケーションのようなところも踏まえて教えているんですけれども、そういう日本の思いやるコミュニケーションを勉強して感動して日本に来てくれたっていうところもあるかもしれないですね。
ー今の目標を教えてください。
スフボルド:早く仕事に慣れる事です。仕事に慣れて一人で業務を実施出来るようになりたい。日本の技術資格も勉強して取得したいです。それから日本語が上手くなって、日本人とたくさん話が出来るようになり日本人の友達を作りたいです。
■東武ビルマネジメント株式会社について
東武ビルマネジメント株式会社は、オフィスビル・マンションの運営管理から商業施設の企画開発・運営管理まで、幅広いサービスをてがける総合ビルマネジメント企業です。鉄道を筆頭とする東武グループの中核企業として、1969年の創業以来「安全・安心」というコンセプトのもと、50年を超える実績を築いてまいりました。2012年5月には、東京スカイツリー®が開業。時代をリードする最先端技術を存分に発揮し、運営管理に携わっております。これからもビルマネジメントのプロフェッショナルとして、お客様のニーズに応え、より高い付加価値を提供いたします。
社名:東武ビルマネジメント株式会社
所在地:東京都墨田区押上2-12-7セトル中之郷1F
代表者:取締役社長 伊藤 克俊
事業内容:東武鉄道の駅、車両、駅ビルをはじめ、オフィスビル、百貨店、ホテル、マンション、公共施設、文化施設、テーマパーク、病院などの設備管理、工事設計施工管理、マンション運営管理、SC(ショッピングセンター)の店舗開発・店舗管理、駐車場管理、清掃衛生管理、警備管理業務など
URL:http://www.tobu-bm.co.jp/