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特定技能 登録支援機関の存在意義

2021.07.09

特定技能外国人の採用に関わっている人事担当&ご関係者の皆様、こんにちは!

私は2019年7月よりGTNで特定技能推進室の立ち上げと事業推進に関わっておりますカンと申します。どうぞ宜しくお願いします。

本日は、特定技能制度における「登録支援機関」の存在意義について、皆さんにお話出来ればと思っております。

難しく聞こえるかもしれませんが、全然堅い内容ではありません!

そもそも、外国人労働者の受け入れに必要な体制って何が理想なんだっけ?
といった原点に振り返るお話のコラムです。

 

外国人労働者は原則、立場が弱い

これまでどこの国でも、「外国人労働者」というのは常に社会的弱者で、差別の対象となってきました。
日本では、低賃金や未払い、過酷な環境やいじめなど、外国人労働者に関する残念なニュースが絶えません。

また国際社会では、ヒューマン・ライツ・ウォッチのような国際NGOも「外国人労働者」というカテゴリーで常に人権侵害問題を注視しています。

外国人が身一つ異国で生活の基盤を築くのは大変難しい事です。何かあった時の蓄えもなければ、頼れる身内もいません。私も一時期海外で暮らしておりましたが、生活基盤がある日本で活動をしたほうが安全で確実だと思い直し、日本に戻ってきました。ありがたいことに実家に住めば、1年ぐらいは、職につかなくても暮らしていけるような環境でしたので。

 

海外労働者の受け入れの問題は、人権問題になり得る

さて、日本では5年間で約34万5000人の外国人労働者の受け入れを見込み、
2019年4月から「特定技能」を新設する改正出入国管理法が施行されました。

このような搾取されやすい属性の人を34万人も受け入れると、社会ではどんな変化がうまれるでしょうか。人権問題が頻発し、社会情勢における不安定さを招く事態が容易に想像できます。そこで、特定技能制度においては、そのような人権侵害問題が起きないように様々な枠組みが設計されています。

国が定めた支援業務

1.事前ガイダンス
2.出入国する際の送迎
3.住居確保に・生活に必要な契約に係る支援
4.生活オリエンテーション
5.公的手続等への同行
6.日本語学習の機会の提供
7.相談・苦情への対応
8.日本人との交流促進
9.転職支援(人員整理等の場合)
10.定期的な面談・行政機関への通報

国は、外国人を受け入れる企業に対し、上記10項目の法的義務を課しました。言い換えると、「きちんと、外国人労働者を受け入れる心構えと体制がある企業のみ、外国人を雇い始めてください」、と言っているのです。そして、自分たちでそういった体制を持ち合わせていないなら、登録支援機関を利用することという選択肢を用意しました。

つまり、登録支援機関の存在意義は、「雇用する受け入れ企業に代わり、外国人労働者の人権及び生活の質を保証する事。」と言えるのではないでしょうか。

 

外国人労働者は登録支援機関分の余分なコストがかかる?

多くの企業のご担当者とお話しているとこのような声をよく聞きます。

「日本人と同等の給料を払っているのに、外国人にサポートもつけるとなると、実質の人件費は日本人を雇うよりももっとかかる。日本人採用にはかからない「余分」なコストはなるべくかけたくないから、最安の登録支援機関を使ったほうが良い。」

「うちが雇う外国人は既に日本語も上手だし、日本の生活も3年以上経験しているから、サポートすることは実際ほとんどない。」

ケースバイケースで考えるとこれらの考えが正しい時もあります。しかし、費用だけで登録支援機関を選んでしまうと本来の法的義務を果たせない可能性があり、最終的には受入企業は下記のようなリスクを被る事になるのではと危惧します。

  • 委託している登録支援機関の経営状況は健全でしょうか。安価であることを最優先に価格設定されていませんか。廃業もしくは登録取消になったら、受け入れ企業も要件を満たさない、とみなされます。その場合、支援体制を再度整えるまでは特定技能外国人を採用継続する事が出来なくなります。
  • 例えば、人員を制限することで価格を下げていませんか。その場合、外国人の相談や苦情などにきちんと対応してもらえない、もしくは対応が遅い等の問題が起こり得ます。外国人労働者は適宜納得のいく相談に乗ってもらえず、転職や失踪問題に発展。
  • 対応可能な範囲が極端に限定されていませんか。企業側の外国人の雇用/労務面で相談に乗ってもらえず、結局専門の弁護士等を利用するはめになったり、未然に防げたことにも関わらず、訴訟沙汰になったり。

重要な法的義務を委託するわけですから、信頼のいく登録支援機関を選ぶ事がとても大切な判断基準になります。弱い立場になりやすい外国人が安心して働けて、また生活出来るよう、企業は当事者の気持ちに「配慮」し登録支援機関を選ぶべきです。そのような考え方をもった企業では、外国人の定着もうまくいくのではないでしょうか。

定着率があがれば、平均勤続年数があがり、また生産性もあがります。更には外国人コミュニティーで良い口コミも広がり採用活動が徐々に容易になります。採用に困らなければ、より質の高い人材を確保することもできるでしょう。

外国人が不安にならないために、問題なく御社で働き続けるために何が必要か、を念頭に支援を考えてみてください。

 

 

という事で本日は「登録支援機関」について少し考えてみる時間でした。

次回はもう少し実用的なお話をしようかなと思います。

それではまた!

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