これからの街づくり、多様性と地域密着のビジネスモデル - DIVERSITY TIMES - 外国人の"今"を知って好きになる。

これからの街づくり、多様性と地域密着のビジネスモデル

2022.03.22

こんにちは。DIVERSITY TIMES ライターの齊藤です。
田園都市線沿線、溝の口・高津エリアで不動産仲介や管理事業を展開する株式会社エヌアセットグループは、
コワーキングスペースや保育園など、人と街をつなぐ様々な事業を手がけています。
一方で、ベトナムにも店舗を3拠点を構えるなど海外にも展開。そこにはどのような狙いがあるのでしょうか。
今回は代表取締役の宮川 恒雄さんに、外国人共生を含めたこれからの街づくりについてお話を伺ってきました。

 

 
___溝の口駅からエヌアセット北口店まで、人通りも多く賑やかな印象を受けました。溝の口・高津エリアはどういった特徴を持った街なのでしょうか。

宮川 恒雄(以下「宮川」):まずは立地のよさがあげられると思います。東急田園都市線で渋谷まで14分というアクセスの良さがありますね。溝の口は田園都市線の中で、乗降客数が渋谷に次いで多い駅です。

働いている人も住んでいる人もいる、雑多な街というところが魅力だと感じています。

 
___海外からいらっしゃった方も増えているのでしょうか。

宮川:そうですね。アジア系の方はもともといらっしゃいましたが、4~5年くらい前から欧米系の方も増えたように感じています。全体の人口も増えていますね。

溝の口駅周辺には高い建物も多く、賑わっている

 
___エヌアセットには外国籍の社員さんもいらっしゃると伺いました。外国籍の方を雇おうとされたきっかけは何でしたか?

宮川:ゆくゆくは外国の方も雇おうとは考えていたのですが、最初はむこうから問い合わせてくれたのがきっかけでした。

規模が今より小さかったので外国人向けの仲介業を展開するのはまだ早いかなと思っていたのですが、日本に長く住んでいて日本語も堪能な方だったので、まずは入って日本人向けの業務からやってもらおうということになりました。それが2016年頃でしたかね。

最初は社員の知り合いなどからお客様をご紹介いただき、その輪が広がっていく感じで外国人のお客様も増えました。

 
___それからは国籍に関係なく採用されているんですね。

宮川:なるべくそうしたいと思っていますね。日本語の能力は要求されますけれども。

 
___外国籍の方と働くメリット、デメリットはありますか?

宮川:大変さは周りよりも本人が感じていたのではないでしょうか。こちらが困るということはなかったです。直属の社員がよく話を聞いたりしていたので、そういったサポートはできていたのではないかと思います。

メリットは、先ほど言ったようにお客様の層が増えたということ。当社が扱っている仲介の2割弱は外国籍の方です。

また、日本では中国人3人とベトナム人1人を雇っているのですが、彼らはみんな勉強家でモチベーションも高いので、そういう意味では日本人社員にとっても良い刺激になっていると思います。

___保育園という新しい事業も社員の方からの発案で始まったと伺いました。そういった社風づくりにも外国人社員の存在は一役買っていそうですね。

 
 
 
___海外進出についてのお話も伺っていきたいと思います。ベトナムに進出されたのは2011年と伺いました。今でこそベトナムはこれから伸びていく国として認知されていると思いますが、当時ベトナムを選んだのはどういった理由からだったのでしょうか。

宮川:海外進出のきっかけは、国内での事業に特徴を持たせなければいけないという思いからでした。賃貸の仲介・管理事業は差別化が難しいので、生き残りのためには何か新しいことをやる必要がありました。

はじめは日本にやってきた外国人をターゲットにしようとしていたんですね。それで海外の企業と提携できないかと探っている中で、ベトナムが経済的に伸びているということを現地で肌で感じ、ここにも拠点を置いて事業を展開しようということで、エヌアセットベトナムを設立いたしました。

___日本の企業が海外で成功する秘訣はありますか?

宮川:ベトナムの責任者にすべて任せているので、意思決定が早いということは強みかなと思います。

海外の事業では意思決定のスピードがとても大切で、もたもたしているとすぐにお客さんが離れてしまいます。現地で完結しているということは大きいかもしれません。

 
___指示を待つのではなく、社員の方が能動的に動かれているということですね。

 
 
 
___溝の口・高津エリアを活性化させる事業と海外進出は一見真逆のことをしているようですが、どういった狙いで始められたのでしょうか。

宮川:海外進出は、海外から来日する顧客獲得のために始めたのですが、結果的に海外進出する日本人顧客のサポートをする逆の流れのビジネスになったという感じですね。元々は溝の口エリアでの事業拡大のためにやり始めたことなんです。

他のビジネスに関しては、ここに住みたい、住み続けたいと思っていただけるような事業を目指しています。

 
___それが保育園やコワーキングスペースなどの取り組みにつながっているんですね。本日お伺いしている溝の口北口店がある複合施設の一階部分には飲食店の「二坪食堂」がありますが、こちらはどういった経緯でできたのでしょうか。

宮川:当社で一番最初に運営を始めたコワーキングスペース「nokutica」に「二坪喫茶」というテイクアウト専用のコーヒースタンドがあります。いかに街の人と建物の接点を作るかと考えたときに、そこに飲食店があってコミュニケーションをとっている人がいると建物の様子がわかりますし、外の人と中の人の接点にもなるのではないかと思い飲食店と併設するモデルを作りました。そこで、次に企画したシェア型複合施設「one」も同じ仕掛けをつくろうということでできましたね。

コワーキングスペースや店舗、同社運営空間の内装は新しい

___人と建物の接点、というのはおもしろい考え方ですね。

宮川:建物が活かされるかどうかは建物と人がどう関わるかにかかっていますね。ハード面の良さももちろん大事ですが、いかに建物に興味や愛着を持ってもらうかということも大切です。

なのでこのエリアでやることは不動産に限らなくてもいいと思っていて、この街の人が「いいな」と思えるような取り組みを行なっていきたいですね。

 
___以前不動産関係の方にお話を伺った際に、外国人受け入れに積極的でない大家さんもまだ多いというお話があったのですが、そのあたりはどうでしょうか。

宮川:そうですね、そういった現状を変えたいと思い、大家さん向けのセミナーなども開いているのですが、都心に近いほど、それほど間口を広げなくても部屋が埋まるというのも事実なので、広がりにくい部分もあります。

ですが、先ほど「雑多な街」と申し上げたように、いろんな方が住んでいるというのがこの街の魅力だと思うので、当社のビジネスとしてもターゲットを広げていきたいという思いはあります。

現在のターゲットは20代から30代の単身の方が多いですが、ファミリー層、学生さん、外国人、高齢者も増えれば、より多様性のある面白い街になるのではないでしょうか。

 
 
 
__最後にこれからの展望をお伺いできますか?

宮川:当社のコーポレートスローガンは『ひとと街にワクワクを』ですが、ここで地域を盛り上げる取り組みのモデルを作り、将来的には他の地域で頑張っている会社にそのノウハウを提供していきたいと思っています。

 
__では業界の中でのつながりも重要視されているんですね。

宮川:そう思っています。この業界には

    ● 大手
    ● フランチャイズ
    ● 地域密着型

の3種類があると思っていますが、我々はその「地域密着型」の会社を盛り上げていきたいと考えています。

当社が応援している、高津エリアを中心とした地域を盛り上げるためのYouTubeチャンネル『ふらっとさんが行く!』という番組では、この地域の面白いお店や魅力的なスポットなどをご紹介していますので、ぜひご覧になってください。

YouTubeチャンネル『ふらっとさんが行く!』

海外に関しては、しばらくベトナムの事業に集中して取り組むことになると思います。そこでしっかりと基盤を築ければと思います。

 
__もともと多様な人々を受け入れる溝の口が、今後さらに多様性に富む街になり、盛り上がっていくのを楽しみにしております。本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

シェア型複合施設「one」にて。この上階にエヌアセット本社・溝の口北口店を構えられている。

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